「食べる量は変わっていないのに、年々太りやすくなった」という経験はありませんか。その多くは基礎代謝の低下が原因です。基礎代謝とは、呼吸や体温維持など生きているだけで消費されるエネルギーのこと。この数値を高めることで、特別な運動をしなくても消費カロリーが増え、太りにくい体質に近づけます。今回は、日常生活に取り入れやすい5つの習慣をご紹介します。
基礎代謝量(BMR)は、成人女性の場合1日あたりおよそ1,100〜1,400kcal程度が目安とされています。この数値は年齢とともに緩やかに低下し、特に40代以降は筋肉量の減少(サルコペニア)が加速することで、消費カロリーが目に見えて落ちてきます。
基礎代謝が下がる主な要因は筋肉量の減少です。筋肉は脂肪よりも多くのエネルギーを消費する組織で、1kgの筋肉が1日に消費するエネルギーは約13kcalとも言われます。食事制限だけのダイエットを繰り返すと、脂肪と同時に筋肉も失われ、基礎代謝がさらに下がるという悪循環に陥りやすくなります。
また、慢性的な冷えや睡眠不足、極端な糖質制限も基礎代謝の低下につながります。体を温める仕組みや細胞の修復にエネルギーが使われなくなるためです。
習慣① たんぱく質を毎食意識してとる
筋肉の材料となるたんぱく質は、基礎代謝を維持するうえで欠かせない栄養素です。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、成人女性の1日あたりの推奨量は50gとされていますが、ダイエット中や運動習慣がある場合はやや多めに意識するとよいでしょう。
おすすめの食材は、鶏むね肉、卵、豆腐、魚類、ギリシャヨーグルトなどです。「朝食は菓子パンだけ」という生活ではたんぱく質が慢性的に不足しやすいため、まず朝食に卵1個か豆腐を加えることから始めてみてください。
習慣② 体を冷やさない生活習慣を意識する
体温が1℃上がると基礎代謝は約13〜15%上がるという研究データがあります(個人差あり)。反対に体が冷えると血流が悪くなり、エネルギー消費効率が落ちます。冷たい飲み物を白湯や温かいお茶に変える、入浴をシャワーだけで済まさずぬるめのお湯に10〜15分つかるといった小さな積み重ねが、体温維持につながります。
習慣③ 週2〜3回の筋トレを取り入れる
有酸素運動が「今ある脂肪を燃やす」ならば、筋トレは「燃えやすい体をつくる」ための運動です。特に大きな筋肉群(太もも・お尻・背中)を鍛えると効率よく筋肉量を増やせます。スクワット、ヒップヒンジ(椅子から立ち上がる動作)、壁プッシュアップなど、道具不要のメニューから週2回10〜15分続けるだけでも、半年単位で体の変化を実感しやすくなります。
習慣④ 7〜8時間の睡眠を確保する
睡眠不足は成長ホルモンの分泌を低下させ、筋肉の修復と合成を妨げます。また、睡眠が不足すると食欲を増進させるグレリンというホルモンが増加し、食べ過ぎにもつながります。睡眠はダイエットと切り離せない要素です。スマートフォンのブルーライトをカットする、寝室の温度を18〜22℃程度に保つなど、睡眠の質を上げる環境づくりから始めてみてください。
習慣⑤ 日常の「ながら動き」を増やす(NEAT)
NEAT(非運動性活動熱産生)とは、意識的な運動以外の日常動作によるエネルギー消費のことです。立って電話を取る、エレベーターではなく階段を使う、テレビを見ながらかかとを上げ下げするといった小さな動きの積み重ねが、1日の総消費カロリーに大きく影響することが研究でわかっています。ジムに行く時間が取れない日でも、NEATを意識するだけで体のエネルギー収支を変えていけます。
基礎代謝を上げるためのカギは「筋肉を守り・増やし・体を温め・しっかり休む」という4本柱です。特別なサプリや高額な器具は必要ありません。毎食のたんぱく質意識、週2回の筋トレ、7時間以上の睡眠、そして日常の小さな動きの積み重ねが、1〜2か月後の体重計の数字に少しずつ反映されてきます。即効性は高くないかもしれませんが、基礎代謝を高める生活習慣は、リバウンドしにくい体質改善の土台になります。焦らず、できることから一つずつ始めていきましょう。