「お腹まわりが気になるけれど、どんな脂肪なのかわからない」という方は多いのではないでしょうか。実は体の脂肪には「内臓脂肪」と「皮下脂肪」の2種類があり、それぞれ特徴も落とし方のアプローチも異なります。自分がどちらのタイプかを把握してから対策を取ることで、ダイエットの効率が変わってきます。
内臓脂肪は、胃や腸などの臓器のまわりにつく脂肪です。「お腹がぽっこりと前に出ている」「お腹をつまもうとしても硬くて掴めない」という場合は、内臓脂肪が多いサインかもしれません。内臓脂肪は代謝活性が高く、つきやすい反面、食事改善や運動で比較的落ちやすいという性質があります。
一方、皮下脂肪は皮膚のすぐ下につく脂肪で、お腹や太もも、お尻、二の腕などに多く見られます。「皮膚をつまむとぷよぷよしている」「触るとやわらかい」のが特徴です。皮下脂肪は女性ホルモン(エストロゲン)の影響でつきやすく、体を冷えや外部の衝撃から守る役割もあります。落ちにくい反面、健康リスクは内臓脂肪ほど高くないとされています。
男性はリンゴ型(内臓脂肪型)になりやすく、女性は洋ナシ型(皮下脂肪型)になりやすいと言われますが、閉経後の女性は内臓脂肪が増えやすくなるため注意が必要です。自分のタイプを大まかに知りたい場合は、ウエスト周囲径が目安になります。女性は85cm以上だと内臓脂肪の蓄積リスクが高いとされています(日本肥満学会の基準)。
内臓脂肪は代謝回転が速いため、食事の改善と有酸素運動の組み合わせで比較的早く変化を感じやすいタイプです。
食事面では、精製された糖質(白米・砂糖・白いパン)のとり過ぎが内臓脂肪の蓄積を促します。血糖値の急激な上昇を避けるために、玄米や全粒粉パンへの置き換え、野菜や汁物を先に食べる「食べる順番」の工夫が効果的です。また、アルコールは内臓脂肪と深い関係があり、特にビールや甘いお酒の頻度を週に2〜3回程度に抑えるだけで変化が出やすくなります。
運動面では、ウォーキングや自転車、水中ウォーキングなどの中強度の有酸素運動を週150分程度(厚生労働省の身体活動ガイドラインより)継続することが目安です。「速歩き程度でやや息が弾む」くらいの強度を意識してください。内臓脂肪は2〜3か月の継続で数値の改善が見られることが多く、比較的モチベーションが続きやすいタイプです。
皮下脂肪は内臓脂肪と比べて落ちにくいのが正直なところです。短期間のダイエットでは先に内臓脂肪から落ちることが多く、「頑張っているのに太ももやお尻が変わらない」と感じるのはそのためです。
皮下脂肪に対しては、有酸素運動と筋トレの組み合わせが有効です。特に気になる部位の周辺の筋肉を鍛えることで、その部位の引き締まりを感じやすくなります(ただし部分痩せは医学的に確認されていないため、引き締め効果として理解するとよいでしょう)。太ももが気になるならスクワット、お腹まわりならプランク、二の腕ならプッシュアップが代表的なメニューです。
また、皮下脂肪は血流の改善も重要です。冷えや浮腫みがある部位は代謝が滞りがちです。入浴時のマッサージや、ストレッチによる血行促進を習慣にすることで、長期的な改善につながりやすくなります。
食事面では、脂質のとり過ぎに注意しながら、トータルのカロリーバランスを見直すことが基本です。「脂肪を落とす」ために脂質をゼロにする必要はなく、良質な脂質(青魚のDHA・EPA、オリーブオイル)を適量とりながら、揚げ物や加工食品の頻度を下げる方向で調整するとよいでしょう。
内臓脂肪と皮下脂肪は、見た目の違いだけでなく、落とし方のアプローチも異なります。内臓脂肪は食事改善と有酸素運動で比較的短期間に変化しやすく、皮下脂肪は筋トレと長期的な生活習慣の見直しが必要です。まず自分がどちらのタイプかを確認し、それぞれに合った戦略を立てることがダイエット成功への近道です。どちらの脂肪も、極端な制限ではなく継続できる範囲での食事・運動習慣の積み重ねが最も結果につながりやすいことは共通しています。